メタノールとは

メタノールは、プラスチック、合成樹脂、合成繊維、農薬、医薬品、接着剤、塗料など幅広い製品の原料として使用されるアルコールの一種です。
現在、メタノールは天然ガスや石炭といった化石資源からつくられていますが、CO₂や廃棄物からも生産でき、取り扱いが容易な基礎化学品として幅広い用途に展開されることから、カーボンニュートラル社会を実現するための基幹物質として大きな注目を集めています。近年では船舶燃料やガソリン等のカーボンニュートラルに向けた新しいエネルギー源としても期待されています。
MGCのメタノールの歴史
当社は1952年に新潟の地において、自社で開発したメタノール合成触媒と製造プロセス技術を用いて、日本の新しい資源として、初めて国産の天然ガスを原料としたメタノールを製造することに成功しました。当初は1日10トンのメタノール生産の小さなプラント操業がMGCのメタノール事業の出発点です。経済成長とともに、メタノール合成触媒や製造プロセスの改良、製造装置の増設を行い、またメタノールを原料とした誘導品の開発、製造も進め、一連のメタノール製品群として事業を拡大してきました。
1970年代には豊富な、そして競争力のある天然ガスを求めて、メタノールの海外生産の検討を開始しました。培ってきた製造技術や天然ガスの採掘技術なども活かして、グローバルなビジネスネットワークの構築に専念します。その結果、他社に先駆けて、世界各地で自社開発の最先端の技術によってメタノールをつくり、自社専用船で消費地まで運搬、これをまた自社で消費して誘導品をつくり、販売するという一連の体制を確立しました。現在では、メタノールのバリューチェーン全般に携わる“世界で唯一のメタノール総合メーカー”として、市場の信頼を得ています。
2020年代に入ると、「社会と分かち合える価値の創造」というコーポレートミッションのもと、持続可能な社会に貢献できる事業を追求すべく、「環境循環型メタノール構想」を提唱し、新しい原料に対応した製造技術を開発し、社会実装するための活動を強めます。“メタノール総合メーカー”としての強みを生かし、カーボンニュートラルを実現するための新たな原料や技術の探索から、環境価値を活かしたグリーンメタノールの用途開発まで、バリューチェーンに関わる皆様との協力を強めています。メタノールを起点とした持続可能な社会を創り上げるために、私たちの活動は新たなフェーズを迎え、環境循環型メタノール構想の実現に向けた社会実装を加速させています。
1952
日本初、自社技術による国産天然ガスからメタノールの製造開始(新潟)

1954
自社技術によるメタノール誘導品第1号としてホルマリン製造を開始(新潟)

1955
天然ガス開発を試掘井「加治川R-1号井」で開始(新潟)

1960
新装置でのメタノール製造開始(新潟)
以降、増産を重ねる

1983
サウジアラビアの合弁事業でのメタノール製造開始。
初めてのメタノール専用船「甲山丸」によるメタノールの輸送開始




1988
メタノール装置(新潟)を停止
1994
ベネズエラの合弁事業でのメタノール製造開始


2010
ブルネイ合弁事業でのメタノール製造開始


2020
トリニダード・トバゴ合弁事業でのメタノール製造開始


2021
新潟工場のパイロット設備を用いて、CO₂と水素など新しい原料での製造実証を開始

2022
環境循環型メタノール構想を提唱しCarbopath™と命名、活動を本格的に始動
メタノール事業の特徴
当社は、日本で初めて天然ガスからのメタノールの生産を開始し、自社開発の技術を駆使して業界に先駆けてメタノール生産拠点をグローバルに展開し、今では世界トップクラスのメタノール生産量を有します。資源開発から製造技術の開発、触媒の供給、海外でのプラントオペレーションのサポート、メタノール専用船によるデリバリー、マーケティング、メタノール誘導品の技術開発・製造・市場開発に至るまで、メタノールのバリューチェーン全般に携わる“世界で唯一のメタノール総合メーカー”として、市場の信頼を得ています。

